33歳 産休・育休ママの家計改善

妊娠・出産・家事・育児・家計管理のお話

息子と離れ離れ 救命センターで過ごす悲しみの夜

 

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これは、私が妊娠37週4日で常位胎盤早期剥離になり、赤ちゃんを死産したお話です。

 

ここまでの経過をまだ読んでない方は、こちらを見てから先に進んでください。

 

 

 

 

 

 

息子は霊安室

 

息子とゆっくり過ごしていると、隣のLDRには別の妊婦さんが来ているようでした。

 

部屋を分ける扉も開いたり閉まったりで、ところどころ苦しむ声が聞こえてきます。

 

その声を聞いていると、また涙が出てきました。

 

この人には今から幸せな未来が待ってるんだろうなぁ。

 

私も夫も聞こえないふりをしていましたが、私に付いてくれていた助産師さんが、隣のLDR担当の助産師さんに言ってくれたのか、しばらくすると扉はピッチリと閉められたようで、その後開閉することもなく、声は聞こえなくなりました。

 

ずっと聞いていて、産声を聞こうものなら、心が持たなかったと思います。

 

気遣いのできる助産師さんに感謝です。

 

産後2時間半ほどが経った頃、息子は霊安室に連れて行かれることになりました。

 

できるだけ早いタイミングで身体を冷やしてあげることで、キレイな状態を保てるそうです。

 

息子と離れ離れになると、一気にさみしさ、悲しさ、苦しさ、後悔、いろんな負の感情が込み上げてきました。

 

息子と一緒にいれた時は笑えたのに、もう私も夫も笑えません。

 

👱‍♂️「かわいかったなぁ〜。何でやねんろうなぁ。何で〇〇やねんろうなぁ。俺ら何か悪いことしたんかなぁ。この世に神様がおるんならホンマ恨むわ」

 

私も同じ気持ちでした。

 

37週4日、正期産になって、何でこんなことになってしまったの?

 

もう生まれてくるだけだと思ってたのに。

 

臨月までお腹にいて、もうお名前も決まってたし、お洋服も買い揃えてたし、チャイルドシートだって、ベビーベッドだって、何もかも準備は整ってたのに。

 

お腹はしぼみ、痛みもなくなり、朝まで動いてた胎動も感じない。

 

しぼんだお腹を触ると、喪失感でいっぱいになりました。

 

でも、息子はすごく母親想いだったんだと思います。

 

意識がちゃんとある中で、経膣分娩で産めたこと。

 

出血多量なら緊急帝王切開だってありえたのに、破水するまでほとんど体外に出血しなかったこと。

 

会陰が裂けてもおかしくないのに、私には傷1つ作らず産まれてきてくれたこと。

 

DICになってしまっていたら、子宮全摘となり、2度と赤ちゃんを授かれない身体になる可能性もあったのに、また赤ちゃんを授かれる希望を残してくれたこと。

 

産科DICとは

DIC(播種性血管内凝固症候群:disseminated intravascular coagulation)とは、本来血液が凝固しないはずの血管内で、何らかの原因により血液が固まってしまい、全身の細小血管に細かな血栓が次々と作られてしまう症候群です。血栓が臓器の血管中に発生すると腎不全などの臓器障害を引き起こします。

産科DICを起こしてしまうと、最悪の場合子宮の全摘も考えなければなりません。通常のDICと産科DICの大きな違いは、子宮全摘を最終手段として考えねばならないところにあります。

 

もしも子宮全摘ということになってしまっていたら…。

 

想像することしかできませんが、暗い未来になっていたと思います。

 

息子は1人で全てを背負い、私を守ってくれました。

 

母親想いの強い子です。

 

私の輸血も最後の1パックが終わり、状態も安定していたため、産後3時間が経った頃、LDRを出ることになりました。

 

 

高度救命救急センターへ戻ることに

 

21:30頃、状態も安定していたのでこのまま産科で入院かと思っていましたが、まだいつ急変するかわからないそうで、高度救命救急センターで一晩過ごすことになりました。

 

周りは重症な患者さんばかりのようで、モニターの音が頻繁に聞こえました。

 

お昼も夜もご飯を食べれてなかったのでお腹もすいていましたが、こんな時間ですし夜ご飯はもちろん出てきませんでした。

 

救命センターへ移り、疲れが出た私は少し眠ることができました。

 

 

家族が面会に

 

22:30頃、眠っていたところに、娘、夫、両親、義両親、義妹が面会に来てくれました。

 

みんなどんな顔で私と会っていいのかわからないような、複雑な表情をしていました。

 

娘だけは笑顔です。

 

私と朝バイバイしてから会えてなかったから嬉しかったみたいでした。

 

私も娘にずっと会いたかったから、ベッドに娘を乗せてもらい、たくさんたくさん抱きしめました。

 

娘も夫から赤ちゃんが生まれてきたけど、お空に行ってしまったと説明されていたようです。

 

👧「〇〇生まれたの?」

 

👩‍🦰「そうだよ。ママのお腹ぺったんこになってるやろ?」

 

👧「うん、ちっちゃくなってる。でもお空行っちゃったの?」

 

👩‍🦰「そうだよ。生まれてきたけど、お空に行っちゃったの」

 

まだ2歳の娘。

 

生死のことなんかまだわかりませんが、娘なりに理解しようとしているようでした。

 

娘を妊娠中も切迫早産にはなったし、予定日を過ぎての出産だったけど2400gしかない小さめさん。

 

この子の存在がどれだけ奇跡なのか、改めて思い知らされました。

 

娘を抱きしめながらたくさん泣きました。

 

👧「ママ何で泣いてるん〜?」

 

👩‍🦰「〇〇がお空に行っちゃったのがさみしいから泣いてるんだよ」

 

ひとつひとつ説明しないと娘にはまだわからないから仕方ないんですが、気持ちを言葉にするのもつらかった。

 

でも、娘の顔を見て抱きしめることができて、娘にたくさん癒してもらえました。

 

両親も私に何と声をかけていいのか…という顔をしており、言葉数も少なくなってましたが、私の身体と心を心配していることはわかりました。

 

義両親もそれぞれ私に声をかけ、義父はまた次がある的なことを言ってきたので、このタイミングでそれ言う⁈とも思いましたが、義父なりに励まそうとしてたのかなと思います。

 

後で義妹に怒られたようですが。

 

面会も15分程度で切り上げ、娘や両親は息子に会いに行きました。

 

娘も23時を過ぎていましたが、グズらず弟を抱っこしたりトントンしたりしてくれたようです。

 

みんながそれぞれ息子を抱っこした写真を、後で夫が送ってくれました。

 

 

眠れない夜

 

私はその晩、息子の写真を見ながら泣き、自分を責め、眠れない夜を過ごしていました。

 

常位胎盤早期剥離のことをスマホで調べ、経験者の方のブログを端から端まで読んでいました。

 

そこへ若い女性看護師さんが入ってこられました。

 

👩‍🦲「眠れないですよね」

 

私は声も出せず頷きました。

 

看護師さんは続けてこんな話をしてくれました。

 

👩‍🦲「実は私も少し前に流産したんです。2週間休みをもらってて昨日復帰したところで、今日が復帰してから初めての夜勤で…」

 

👩‍🦲「でも〇〇さんはもっとツライですよね。臨月までずっとお腹にいて、胎動もたくさん感じて、生まれてからの準備もできてる状態まで来てたんですから」

 

そんなことがあった直後なのに、私みたいな患者の担当につくのは、思い出すことになってツライだろうに…。

 

自分もまだ悲しみのドン底だろうに、私のことを思いやってくれて、涙が止まりませんでした。

 

失った者同士、同じ気持ちで心の内を話せたこと。

 

20分ほどゆっくり時間をとって話してくれたこと。

 

自分だけ何で?と思っていましたが、私だけがツライんじゃない、と思うことができました。

 

この看護師さんにこの晩出会えて、話を聞いてもらえて、私は心が少し救われました。

 

それから1時間ほどは眠れたように思います。

 

朝が来て、バイタルチェックやモーニングケアが終わると、他の方には食事が運ばれているようでした。

 

私は喉がカラカラで痛く、お腹もすいていたので、やっと喉を潤せると思っていたのですが、絶飲食と指示されており、私には何も提供されませんでした。

 

点滴が入っているので脱水になることはないのですが、マスクもないため喉の乾燥がひどいことを伝えると、うがいならOKと許可をもらえました。

 

寝返りもできるだけうたないよう言われていたので、全身痛くなってきてたのですが、うがいをするためようやくベッドを少しだけ起こしてもらえました。

 

姿勢を換えれて少し楽に。

 

冷たい氷水を持ってきてくれて、ゴックンしたい気持ちを堪えてうがいのみで耐えました。

 

10時には産婦人科病棟へ移動することを告げられ、最後にあの看護師さんにお礼を言いたかったのですが、そんなことでナースコールを押すのも悪いし、と思っている内に、結局言えないまま夜勤明けで帰ってしまったようでした。

 

うとうとしながら10時を待ち、ベッドごとまた産婦人科へ移動したのでした。

 

 

つづく。。。

 

 

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産婦人科診療相互援助システムでは、早剥予防のための啓発運動を行っています。

 

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現代の医学でも、予見・予防ができない早剥。

 

私達妊婦が早剥を知り、陣痛との違いに気づけることが大切です。

 

私の場合、このポスターに書かれている「性器出血」は見られませんでした。

 

そのため陣痛と勘違いし、早剥に気づけず、赤ちゃんを失ってしまいました。

 

出血がなかったために、病院側にも異常な痛みと気付いてもらえず、受診が遅れたことが明暗を分けたと思います。

 

「赤ちゃんの動きが少ない」に関しても、よく出産が近づいてくると胎動は少なくなってくると言われています。

 

私は胎動が少ないのは、赤ちゃんが生まれる準備をしてるからだと思ってしまいました。

 

そして腹痛とお腹の張りの強さから、胎動に気を配る余裕もなくなっていました。

 

「性器出血」「腹痛」「赤ちゃんの動きが少ない」

この3つの中で私がおかしいと感じられたのは「腹痛」だけです。

 

3つ揃わないと早剥ではありません。

 

先日の受診時に、出血がないけど早剥だったという確率が何%なのか先生に聞いてみたところ、約30%という答えでした。

 

にも関わらず、若手の医師ですら『出血がないので早剥ではない』と結論付ける人もまだまだいるようです。

 

私の担当医はそういう判断を聞くたびに、『出血がない=早剥ではない』と判断しないよう伝えているそうですが、若手に限らずそのような判断をする医師・助産師がいてもおかしくないという現実を知りました。

 

そして先生はこうも教えてくれました。

 

出血がない場合の方が、羊水+血液となって子宮内の圧力が高くなるため、より胎盤の剥離スピードが上がり、重症化しやすいそうです。

 

出血する方が子宮内の圧力を軽減できること、妊婦本人も異常事態に気づきやすいため、赤ちゃんの生存率も上がる、と話してくださいました。

 

医師や助産師でも、出血がなければ早剥ではないと判断する人もいることを、妊婦さんにはぜひ知っていてほしいと思います。

 

かわいい赤ちゃんと無事お互い生きてご対面できることを、心から願っています。